駒場公園の前田侯爵邸へ。
久しぶりに、東京で過ごす晴れの日曜日。
ずいぶん前から行ってみたかった駒場公園へ、ようやく出かけた。
いつも夜、クルマで富ヶ谷から三角橋へ駒場東大前の道路を通るが、なかなか東大キャンパスや駒場公園へ入るチャンスがなく、井の頭線からは珍しい田んぼの風景は見ていたものの、今まで歩いたことがなかった。
目的は前田候爵邸と民芸館。歴史的な洋館と日本の伝統工芸を両方見ることができ、閑静な住宅地も魅力的。東大のキャンパス内にはイタリアンレストランもあり、できれば平日の昼間のんびりと歩いてみたいエリアだ。
前田邸10時開館に合わせて井の頭線「東大駒場前」駅西口で降り、いつも車窓から見る田んぼを眺めながらなだらかな坂道を登って行くと駒場公園へ。ここは渋谷区かと思っていたが、ぎりぎり目黒区。駒場公園も目黒区立の公園で、もうすぐ桜が咲いたらとてもきれいになりそうなので、来月にもう一度訪ねてみたい。
そして、前田邸。まあ、凄い。昭和4年(1929年)に建てられ、当時では東洋一の洋風建築と称せられたとある。小使室や女中部屋だけでも6部屋、従者室もあり、応接室だけでも5つ。建築面積が約1,000㎡、延床面積が約3,000㎡。建物は一部3階建てになっているようだが、見学できるのは2階まで。戦後GHQに接収されたが現在は都が管理し、平成25年には国の重要文化財に指定されている。
そもそも前田侯爵は加賀百万石の加賀藩16代当主。明治時代の華族令によって大名から侯爵に爵位を授与され、加賀百万石の栄華を誇ったということだろう。
建築様式は、イギリスゴシック様式を簡略化したチューダー様式で、スクラッチタイルの外観は時代を感じさせず、今でも充分魅力的な佇まいだ。室内は王朝風に装飾され、高い天井、マントルピース、照明などヨーロッパテイストに。サロンの窓の外には駒場公園の桜の大樹が枝を広げているので、春になれば桜を眺めながらサロンでティータイムの雰囲気が満喫できそうなので、桜の季節にもう一度訪ねたい。そして、知らなかったのがすぐ隣地に数寄屋造りの和館もあること。洋館とも渡り廊下でつながっており、洋と和が見学できるというのもびっくり。こちらの様子はまた明日にでも。