Out of Tokyo

リュー・ド・ヴァン

久しぶりに収穫ボランティアへ行って来た。

この東御市に今から10数年前に小山さんが移住してきて、ワイナリーを作るために畑の開墾を始めた。もともとこのエリアは養蚕地域で、もとは桑畑だった畑がその後りんご畑になり、さらにぶどう畑へと風景を変えてきた歴史がある。10年くらい前までは「東部(旧町名)の巨峰」としてブランド化され、美味しい巨峰をいつもたくさん送っていただき食べていた。広い空と長い日照時間、南面傾斜の緩い丘陵地帯がぶどうの栽培に適していると小山さんは移り住み、農家さんから畑を借り、ぶどうの樹を植え始めたのが10数年前だ。

それ以来小山さんとのお付き合いも始まり、東御に行った時には寄らせていただいた。毎年この季節にはぶどうの収穫作業があり、多くのボランティアが集まる。そこで知り合った友人もたくさんいる。しかし、今年は台風の影響で上信越道が一部通行止めだったり、地元の人も災害復旧の作業で忙しく、ボランティアもなかなか集まらない状況だった。今年は5月が猛暑で夏に雨が多く、台風もいくつか来て、気候変動の影響も大きく、収穫のタイミングも例年より遅れていた。そして今回の台風19号。流された橋からわずかの距離にあるが、幸いにもワイナリーには直接的な被害はなかった。

「テロワール」という言葉がある。その土地でできたワインにはその土地の環境すべてが含まれた味がするという意味だが、このようにこの地でしかない味がこうして作られていくということがよく理解できる。そして、その年でしかない気候や温度などによっても毎年同じワインはできないということもよく分かる。何年にできたワインかを「ビンテージ」と呼ぶ所以だろう。

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