Tokyo Culture

夏休みの読書感想。

この夏休みに読んだ本の中で一番印象にのこったのが谷村志穂さんの「移植医たち」。
ちょうど世間を騒がせている東京医大の女子受験生への不正入試問題もあり、日本の医療界への疑問のようなものがあったこともあるので、興味深く読ませていただいた。
群馬大学の医学部と言えばかつては東大医学部に並ぶほどの権威を持っていたが、最近は手術ミスで多くの事故を起こしているというニュースも群馬県出身の私には驚きだった。
杉並の病院でも医療事故が立て続けに起きていることもあり、明らかに日本の医療レベルの低下が現実問題として現れているような気がしていた。
今から50年前に北海道大学で行われた心臓移植手術。その和田教授の娘さんが主人公の一人として出てくる。谷村さんは出身地の北海道をテーマにした作品が多く、この「移植医たち」もそうだ。女性が移植医の世界で生き抜いていくのがどれだけ大変か、いや男女に関わりなくその大変さが丁寧に描かれていて、ブラックだ、違法残業だというお国のメッセージとは隔世の感があるが、このような厳しい環境で仕事をせざるを得ないのが、医療界の現実なんだと痛感させられる。人名に直接関わる仕事だけに、我々も考えなければならないことが多く含まれている。

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