Tokyo Gourumet

秋刀魚の味と昔の思い出。

8月も終わり、夏も終わろうとしている。
そして9月。いよいよ美味しい味覚の秋。秋刀魚の季節だ。

秋刀魚には小さい頃の思い出がある。
祖父が元気だった頃、毎日のように晩酌をするのが日課だった。特に相撲のある2週間は毎日中入り後くらいから中継を見ながら晩酌をする。その時のつまみが秋刀魚だった。9月の秋場所とシーズン最後の九州場所だったんだろうと思うが、相撲を見ながら秋刀魚をつつきながら酒を飲む。以下にも昭和らしい風景だったが、それが祖父のことを想い出す一番の思い出だ。
田舎の山奥だったのが、新鮮な秋刀魚がどうやって家庭に届いたのか分からないが、週に1度くらいは移動販売車で魚を売りに来る行商の人がいた。その時にお菓子を買ってもらうのも楽しみだった。春や夏の秋刀魚のいない季節は鯖の水煮の缶詰に醤油をかけて食べていた。もちろん家族にも七輪で焼かれた秋刀魚を用意され、一人一匹づつ食べていた。大きな釜でご飯を炊き、7人家族の食事を用意するのは、今さらながら大変な家事仕事だったと思う。

秋になると、今年一番の秋刀魚をいただくというのが自分にとってもずっと習慣になっている。昨日、スーパーに寄ったら北海道で揚げられた秋刀魚が並んでいたので、まだ高いなという思いもあるが躊躇なく買い求め、自ら焼き、家族で今年の秋の味覚を味わう。そんなひと時に家族の時間を感じる。小津安二郎の「秋刀魚の味」という映画もそんな家族の日常を描いた映画だったのかな。今年一番の秋刀魚を食べながら、毎年同じことを思い出す。

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