世田谷区長、保坂さん主催の政策フォーラムへ初参加。
『せたがやD.I.Y道場』 観客からプレーヤーへ!
保坂展人政策フォーラム・第2期、9月16日・9月29日 聴講生募集。
こんな記事をFBで見つけたので、9月29日の会に参加してみた。
「気づき・着想」「企画立案」 「政策形成」「展開と実現」という、変化を実現するプロセスを参加者がともに考え、新たに構想していく場です。観客からプレイヤーへ。そんなコンセプトで保坂区長が継続的に開催しているらしい。
もともとジャーナリストだった保坂氏は、社会党の国会議員としては比例でぎりぎり当選しながらのキャリアだけで、社会党(社民党)を離党後、2011年に世田谷区長選で当選してからの活動の方が政治家としての実績は築いているのではないか程度の認識だった。しかし、自分も世田谷区民として区政に無関心なだけでなく、いい歳なんだから参加へ一歩踏み出してみよう、そんな気持ちになったので最終回の会に参加してみた。
涌井さんのポートランド講演。
最終回のコンテンツは、
・「ポートランドは何を語りかけてくるか」記念講演 涌井史郎(造園家・東京都市大学特別教授)
・パネルシンポ「ポートランドと世田谷をつなぐ都市文化交流」 (小林正美×宮台真司×涌井史郎×保坂展人)
魅力だったのは、涌井さんの講演。たまたま前日まで同じ東京都市大学の建築学部大橋教授と一緒に仕事をしていたこともあり、日曜日の朝TBSの番組に涌井さんが準レギュラーで出演されている時の発言内容にとても共感することが多かったのと、涌井さんが語るポートランドとは、そこにも興味があった。
ここ数年、5年くらいの間、ポートランドがにわかに脚光を浴びていたと思っていたが、1970年ころからポートランドは都市の再構築に取り組んできた長い歴史があることにまず驚いた。
そして、地球規模でなぜポートランドが注目されているのかという観点で見た時に、涌井さんの話では、自動車産業があまりにも大きな影響を地球環境に与えてしまったということ。そして少子高齢化、都市も高齢化、人為的な原因による自然災害の発生。これらは地球規模で同時多発している問題で、これらに対するパリ協定は遵守されるべきだった。
「フォアキャスト」という考え方から、「バックキャスト」という発想が大切と指摘していた。限界から今を考えるべきで、この坂の向こうには未来があるという、司馬遼太郎が書いた明治期の考え方を転換すべきタイミングだということだ。
今を生きる世代として、将来の世代も幸せを享受する権利が当然あるわけだから、そのためには今何をすべきかを実践することこそ、我々の責務だと解釈をした。
宮台真司さんは、日本にはリベラルは不可能だと断言。
セッション2は社会学者の宮台真司さん。
「なぜ持続不可能じゃない社会をやめられないのか」
横軸に参加主義と国家主義。縦軸に市場主義と再配分主義。そのマトリックスで見た時に、ポートランドは左下のリベラルのに存在するが、この日本という国は、まず持って、リベラルに位置することは不可能だと断言する。その根拠は、ここ数日の政治のマサカを見ていれば一目瞭然ということだ。「なぜ持続不可能じゃない社会をやめられないのか」そんな言葉が彼らの口から発せられることはないだろう。世田谷に議員は何十人もいて、ポートランドはわずか4人だというのも、その象徴だろう。
ワークショップで農業の再生を提案。
講演後、いくつかのグループに別れてワークショップを開催。政策として実現したいことを話し合い、私がずっと感じている農家さんのことを提案したら、グループのテーマにしようと賛同を得られた。2020年問題のこともあり、たまたまこの日、区議会で生産緑地法の上限を500㎡から300㎡に引き下げる法案が可決され、とても重要なテーマだと涌井さんからもコメントをいただいた。