鎌倉散歩。
久しく鎌倉に行っていないので、久しぶりに電車の乗って行ってみた。
昔は鎌倉の材木座海岸にお世話になっていた方の自宅があったので、毎週末はそこへお邪魔していた。親戚が藤沢の本鵠沼にいることもあり、海無し県生まれの私は「湘南」に対する憧れが人一倍強かった。
初めての一人旅も、高校2年生の時、電車に乗って鵠沼まで遊びに行ったことだ。鵠沼の従兄弟たちは大学生で、タバコを吸い、エレキギターを弾き、オープンカーを乗り回す、そんな姿があまりにもかっこよくて、大学生になったら湘南へ行くことがメインイベントでもあった。当時付き合っていた女の子が横浜の子で、それも湘南に対する憧れの理由だったのかもしれない。
でも、湘南へ行くのはクルマが必要だ。クルマなんか持っていないので、クルマを持っている友達を誘ったり、親戚のクルマを借りたりして行った。辻堂にある「マーボ」というサーフショップでライトニングボルトの中古のサーフボードを手に入れ、波乗りの真似事をした。
大学を卒業して小さな広告会社に入り、そこの社長さんが鎌倉に住んでいたので、そこへ毎週末通った。ディンキーと呼ばれる小さなヨットを買ったり、材木座の小さな波に乗ったり、ただそれだけで楽しかった。
電車で行くことはなく、いつもクルマだった。夏は当然大渋滞する。その時間を避けたり、裏道を抜けたり、そんなことも楽しかった。憧れのシーンは、夜明け前の第三京浜をオープンカーで海に向かう、もちろん隣には彼女を乗せて。実際に九品仏や自由が丘にアパートを借りて暮らしていたのも、第三京浜へのアプローチがいいからだった。何度かそのシーンを叶えたことはあったが残念ながらその時はナビシートは空だった。
先日は昼に渋谷を出発し、北鎌倉まで。そこから源氏山の山越えで鎌倉へ。江ノ電で海に出て、鎌倉に戻るというハイキングコース。実は源氏山に登るのは初めてで、こんなに本格的だとは思わなかった。切り通しが多く、難攻不落の鎌倉と言われた地形の原風景を見た。