エシカルということ。
最近、こんな難しい言葉を聞くようになった。
エシカル=道徳、規範、倫理とでも訳すのか。
それもエシカル・ファッションなんていう言葉もあるらしい。
これもたまたまだが、昨年義理の母が亡くなり、その後片付けをしていると大量の服が出てきた。みんな捨てて処分するのももったいないのでということで見始めたら、私の娘(まだ20代半ば)が何着も貰って来て着ている。サイズがちょうど合ったということもあるが、ワンピースや、スカート、ズボンなどなど、古めかしい柄のものが、昭和らしくいいらしい。素材もポリエステルなどが多いので、シワにもなりにくいしクリーニングに出さなくても洗濯機で洗えるのでこれも手間が省けるという。ファスト・ファッションなども着ているが、数回着るだけでボタンがとれたりするので、安物の印象が拭えない。安いからそのまま捨ててしまうことも多いという。そんな世代の彼女たちがお祖母ちゃんの服をもう一度着ているというのだから、面白いというか、ありがたいというか、単なる節約術なのか。
かく言う私も形見でいただいた義理の祖父の腕時計をここ数年愛用させて頂いている。金張りだけどいやらしさがなく、よくよく見るとIWCのものだったりするので私もお気に入りである。
もっと言えば、先月八ヶ岳の友人から紹介いただいた古いオーディオ、ゆらゆらガラスを使った古い茶箪笥など、最近気になる古い物をもう一度使ってみるということこそエシカルなライフスタイルなのかもしれない。自分で倫理的なことを意識してそのような古い物を愛用しているわけではなかったが、やっぱり古いものにしかない柔らかさや優しさのようなものを感じてしまい、それも歳のせいかななどと思い過ごしていた。それが最近の若い女性は意識してそんなファッションも楽しんでいるようだ。娘がエシカルを意識しているかどうかは分からないが。